発汗を促す成分の分泌を抑制
夏場はもちろんのこと、冷房がしっかりと完備されているのにもかかわらず、緊張など精神的な要素から大量の汗が流れてしまう多汗症の方を中心に、皮膚科などの診療科で処方してもらえる薬として提供されているのが、プロバンサインです。
この薬は、体内で発汗を促す働きを持つ「アセチルコリン」という物質の分泌と働きを抑制する効果を有しており、この薬を服用することで発汗自体を抑制する効果が得られます。
この抑制効果のことは「抗コリン作用」と言い、体内で行われる全ての発汗を抑制する対策としても非常に有効です。
服用後、30分程度の短時間で即座に効果が実感できる即効性の高さも特徴で、持続時間は個人差にもよりますが6時間から8時間程度と短いながらも、比較的すぐに対策できる制汗薬として優秀な医薬品です。
胃薬としての効果も
また、プロバンサインは、元々は臓器の表面にあるヌルヌルとした触感を持つ粘膜という組織に対する刺激を抑える働きを有しており、この作用を活用することで胃腸内部の胃液の分泌を抑え胃内部の荒れなどを抑制する胃薬としての効果も有している点が特徴です。
このため、プロバンサインは皮膚科などの専門科だけでなく内科でも処方を受けることができるので、多汗症の症状を一時的に抑制したいという方が求める対策として、内科でも同様の処方を受けることが可能です。
発汗抑制による臭い対策にも
人間の身体から感じられる体臭と呼ばれる臭いの原因は様々ですが、脇汗をはじめとする汗もまた、体臭の大きな原因です。
特に、汗をかいたあとの部位は湿り気を帯びており、これはカビや雑菌にとって恰好の繁殖の場。結果、これらの雑菌の影響により不快な臭いを発してしまいます。
プロバンサインを服用することでこの発汗自体を抑制できるので、汗が由来の臭いを未然に防ぐことができ、優れた臭い対策としての効果も期待できます。
プロバンサインの使い方
1回1錠が原則
では、実際にプロバンサインを処方してもらった後の具体的な服用方法についてチェックしてみましょう。
プロバンサインは処方型の医薬品に該当するため、あらかじめ用法と用量を守った服用が原則。
この薬については、1回1錠を限度とする服用方法が定められており、例えば1日のうちにまとめて2錠以上服用したりするのはNG。
ただし、薬の効果時間が最大8時間程度と短いため、最初に服用したプロバンサインの効果が既に切れている程度の時間が経過していれば、再度1錠だけ服用しても構いませんが、1日最大3錠という規定があるので、これを超える個数を一度に或いは複数回に分けて飲むのはNGです。
必ず水か白湯で飲むこと
プロバンサインは他の医薬品と同様に、実際に服用する際には水分と一緒に飲むのが基本。
また、他の医薬品と違い、必ず真水や白湯などを使って飲むように規定されています。
これは、コーヒーや緑茶など水以外の水分でこの薬を飲むことで、薬が持つ本来の効果が正しく発揮されない可能性があるためで、特にプロバンサインの制汗作用はこの影響が如実に現れやすく、確実な制汗作用を獲得したいのであれば、多少無理をしてでも水か白湯で服用しましょう。
局地的な使い方を
プロバンサインは、服用後30分から1時間程度の短時間で明確な制汗作用が得られる即効性の高い医薬品です。
このため、基本的な使い方として、汗をかきやすい行為を行う直前に飲むのが本来の飲み方に該当するので、例えば毎日決められた時間に服用するなど継続的な使い方は想定されていません。
ただし、毎日の出勤直前に飲むなどの使い方は問題ないので、あくまでも汗をかきやすい行為をこれから行う直前に飲む対策として活用するようにしましょう。